「ヒシエキス」の秘めたるパワー(前編)

ヒシエキスは、一年草の浮葉植物であるヒシの仲間トウビシの果皮から抽出した粉末状の機能性素材で、ポリフェノールが豊富に含まれています。

ヒシエキスには、頻尿改善作用のほかに抗糖化作用や抗酸化作用、美肌作用、育毛作用、食後血糖値の上昇抑制作用などがあることが報告されています。

その中から頻尿改善作用、抗糖化作用、美肌作用、育毛作用の4つを取り上げて2回に分けてお話します。

今回の記事では頻尿改善作用と抗糖化作用についてお話していきます。

◆頻尿改善作用

【ヒシエキスの頻尿に対する効果】

1.酸化ストレス抑制作用
ヒシエキスには抗酸化物質が含まれており、酸化ストレスによる膀胱組織へのダメージを軽減することで、膀胱機能を改善する効果が期待されます。

2.男性ホルモン悪玉化の抑制
男性の頻尿の原因として、悪玉化した男性ホルモンが前立腺の肥大を促すことが挙げられます。
ヒシエキスは男性ホルモンの悪玉化を抑制する効果があり、前立腺の肥大を抑えることで男性の尿トラブルを改善します。

3.抗炎症作用
膀胱組織や尿道に炎症がある場合、ヒシエキスに含まれる成分が炎症を抑え、症状を根本的に緩和する効果が期待されます。

4.抗血糖作用
血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなると、「口喝・多飲・多尿」の悪循環が生じます。
ヒシエキスは、糖代謝に関与する酵素(α-グルコシダーゼなど)の活性を阻害することで糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑制する効果が期待されます。

頻尿の改善には、ヒシエキスだけでなく生活習慣の見直しが重要です。

◆抗糖化作用

「糖化」とは、身体の中でタンパク質や脂肪が余分な糖と結びつき、老化物質を生成する反応のことです。

糖化によって体内で生成される老化物質をAGEs(エイジス:終末糖化産物)と言い、これは「体のコゲ」とも呼ばれ、老化を促進する要因として近年大きな注目を集めています。

AGEsは、肌や髪、血管、内臓などに影響を与え、全身の老化を進行させ、さらに体調不良やさまざまな疾患(糖尿病合併症、高血圧、認知症等)の温床となります。

具体的には次のような影響があります。
・肌の老化:シワやシミ、たるみ、くすみ、肌のハリや弾力が失われる、肌荒れなど
・毛髪のダメージ:抜け毛やキューティクルの乱れなど
・血管のダメージ:血管の組織がもろくなる、炎症が起こりやすくなる、動脈硬化の原因となるなど
・腎機能の低下:尿を作る機能が低下
・骨や関節の老化:骨が折れやすくなる、変形性関節症の原因となるなど
・目の病気:白内障や加齢黄斑変性症の原因となるなど
・脳の老化:アルツハイマー病の原因となるなど

糖は生命を維持するエネルギー源である一方、余分な糖は糖化を引き起こし、生体内に様々なトラブルを引き起こします。

「糖化」は、食事や運動などの生活習慣を改善することで防げます。
糖化予防によって、若々しくて健康な身体を手に入れましょう。